ナガオサさんとのZilliqa(ジリカ)紹介動画

以下にもスライドと文字ベースでまとめました

今回は僕が前から気になっているジリカというコインを紹介します。ジリカはシンガポールにオフィスがある会社で、こちらがメンバーになります。

実はCEOのシンシュさんをはじめ、チームメンバーの多くが長年サイバーセキュリティを研究していて、博士号を持っている研究者たちが多いという、ビジネスというより、科学発のブロックチェーンプロジェクトです。

たとえばCEOのシンシュさんは、あの超有名なシンガポール国立大学で博士号を取得し、長年サイバーセキュリティを研究されている方です。

また、プラティークさんは、今イーサリアムも含む複数のブロックチェーンが取り入れようとしている「シャーディング」という論理をブロックチェーン業界で打ち出した有名人なのです。この概念は分散型データベースの領域ではだいぶ前からあったのですが、ブロックチェーンでの応用についてはじめて研究論文を出したのはこの人なのです。

そんな天才研究者たちがジリカで実現しようとしていること、それはブロックチェーン本来の良さを活かしたまま高速で安価な取引を実現することなのです。

そもそも高速で安価な取引がブロックチェーンの特徴のはずなのですが、最近利用者が急増したため、業界の発展には「スケール」の問題は非常に深刻です。実はユーザーが急増したので、1年前に言われていたほどの利便性は今のブロックチェーンにはありません。

今最も有名なブロックチェーンというと、ビットコインとイーサリアムですが、どちらも混雑時には取引に時間がかかるし、手数料も高いという不満が多いのです

1秒あたりの取引速度で言うと、VISAやMASTER CARDが1,000件以上処理できるのに対して、ビットコインは7件、イーサリアムは15件程度です。

また、手数料に関しても、以前は銀行よりもはるかに安いと言われていましたが、混雑時は銀行の海外送金手数料と大して変わらないと言われています。

そうなると、せっかくの分散された仕組み上に面白いアプリが作られても、一つひとつの取引があまりにも遅くてお金がかかるので、まったく実用性がないのです。

なお、この原因は、ブロックチェーンのセキュリティを担保する仕組みそのものに内在します。カンタンに説明すると、ビットコインと今のイーサリアムは、一つひとつの取引が正しいということに対して世界中のコンピューターが合意するためのアルゴリズム、それに「Proof of Work」というものを採用しているのです。

まず大前提として、信頼できる第三者の管理者が不在のため、取引が正しいものとして記録されるためには、全体のうち51%以上のコンピューターがその内容に同意する必要があるのですが、そのプロセスがあまりにも簡単にできてしまうと、悪意を持った人が取引をねつ造して過半数を得ることができてしまいます。

したがって、「Proof of Work」では、マイナーたちが、その名の通り、労力を費やして取引を証明しなければならないのです。より具体的には、取引が含まれる新たなブロックをブロックチェーンに追加するためには、ある難問に答える必要があるのですが、正解を出すには膨大な電力が必要なのです。その結果、仮に悪意を持った人が過半数を取りたくても、それを実現できるほどの電力を賄えないため、実質労力が不足している悪さができないということなのです。

なお、今の仕組みにおいては、世界中のマイナーたちが、一斉に同じ取引の承認のために競争し、最初に難題を解けたマイナーにだけ報酬が支払われるという仕組みになっているのですが、それはどれだけマイナーの数が増えても、全員同じ作業をしているので、スケールしないという問題をはらんでいます。またそういった中で、ユーザーたちが自分の取引を優先してもらうために手数料を増やしており、その結果、今のブロックチェーンでの取引は遅くて高いのです。

もちろん、既にそれを解決しようとしているプロジェクトはたくさんあり、そのほとんどがオフチェーン・ソリューションと言われるものなのです。つまり取引の一部をブロックチェーンから外そうということです。

たとえばナガオサさんと僕がビットコインのやり取りを複数回にわたって行ったとしましょう。オフチェーン・ソリューションは、わざわざ一つひとつの取引をブロックチェーンにその都度記録せず、ある一定期間ないしは一定額に達したときに、それを合算してプラマイどうだったのかという情報だけを記録するのです。

そうすることによって、スループットと言われる1秒あたりの取引件数は飛躍的に上がり、1秒に数十万件の取引が処理できると言われています。

ただし、それは一部の取引をタイムリーに記録していないわけで、本来ブロックチェーンが提供してくれるはずの安全性や透明性が、同じレベルで担保されているのかという点について疑問視する人もいます。更には、オフチェーンでの取引をするためには、僕とナガオサさんがある一定額を事前にデポジットとして入れておかなければならないので、流動性が制限されるのです。

そこでジリカが提示する解決策、それは「全員で同じ問題解決のために競争せず、役割分担しよう」というものなのです。それが「シャーディング」の大まかなイメージであって、たとえば世界中に100人のマイナーがいたとしたら、そのマイナーたちを1組10人のシャードというグループに分けて、その10組が異なる作業を並行して行っていくのです。そうすれば、たとえば本来1秒で10件しか処理できないところが、10倍のスピードで1秒あたり100件処理できるようになります。

なお、実はこのように簡略化すると当たり前のように聞こえるかもしれませんし、理論上はシンプルなのですが、技術的には非常に難しいものなのです。

また、万全なセキュリティーの仕組みをどう実現するのか。そこがしっかりしていないと、どれだけ処理が速くても、まったく意味がありません。

たとえば、悪意のある人たちが一つのシャードに集中してしまうことを防ぐために、1つひとつのシャードにどのコンピューターを割り当てるかという選定基準と選定プロセス、また、悪意のある人たちの比率をなるべく抑えながらも役割分担がスケールできるシャードの大きさなど、ジリカチームは、様々な視点でシャーディングがしっかりと機能するよう設計しているのです。

しかも、既にマインドシェアという世界的大手の広告代理店と組んで実証実験の取り組みも始めているので、研究だけで終わるものではなく、これからのビジネスの展望にはかなり期待ができます。

最近デジタル広告で多い広告詐欺を、ブロックチェーンの透明性と不変性を活用して排除しようという取り組みなのですが、デジタル広告の取引量は膨大なので、まさに今のブロックチェーンでは対応できない課題なのです。

以上、ブロックチェーンの取引速度と手数料の問題は非常に深刻であるため、その問題を解決できたら市場へのインパクトはとても大きいです。

最近「取引が安くて速いブロックチェーンをつくりました!」という怪しいベンチャーが多いのですが、ジリカはチームメンバーからしてまったく次元が違うなと思いました。さすが研究者たちの集まりだけあり、まだ積極的にはマーケティングをしていない会社なのですが、その分イメージ先行型ではなく、技術開発にフォーカスしている点が魅力です。

ナガオサさんと紹介動画も用意しましたので、もしよかったら、こちらもどうぞ!