デジタルマーケティングの業界では、よく “Facebookは充実しているが、LINEはターゲティング機能が限られているのでコスパが悪い” と言われます。

実はLINEに外部データをアップロードしてターゲティング精度を上げることができます。

それと同様に、今まで媒体としてのインパクトは大きいが、コスパが悪いとされてきた数多くの媒体が、技術とデータによってまた再検討に値する時代が来ています。

メディアの論理を正としたプランニング

売り物は“メニュー化”されている方が営業活動を効率的にスケールできるので、基本的には媒体側も売りやすいものを売ります。

デモグラはもちろんのこと、閲覧コンテンツなどをベースにあらかじめパッケージ化された物を選んで広告配信を行うケースが日本では多いです。

買う方もラクですが、多くの場合は、それ以外に自社のニーズに合った機能を選ぶことは可能であり、その1つが外部データをアップロードして利用することです。

これからのデジタルメディア

特にWEBでは捕捉し切れない実際の行動データを扱うベンダーは増えており、日常的な行動パターンから富裕層を特定したり子持ち、あるいは運動好きなどの層を特定することが可能です。

そのデータを基に、 Twitter や Facebook あるいは LINE などで広告を絞って無駄なく見せることができます。

データ費用は追加でかかるものの、それ以上に絞り込むメリットがある商材などを扱う事業会社では、実際にWEB指標の大幅改善、またROASの改善も見られています。

それは中国マーケティングでも同様です。

WeChatの広告

今まで日本で提供されているWeChat広告のメディア費用は割高で効率が悪いとされていました。

ただ、最近ようやくデータのアップロードとそのデータに基づく類似拡張機能が追加され、まだ知らない人がほとんどですが、本国では使われ始めています。

特に中国の場合はWeChat人口が数億単位のため、信頼できるデータを基に数十万から数百万人に絞られたターゲティングができるだけでも、基本属性や“メニュー化”されたターゲティング設定をそのまま使うよりも、はるかに効率的です。

最近では購買データやアンケート調査の結果を基にユーザーをクラスタリングし、それを広告配信に活用できるようにしているベンダーも出てきています。

最後に、技術とデータの活用によって、その破壊力が最も高まると期待されているのがチラシです。

今までのチラシが非効率な理由

まず、折込チラシもポスティングも、業者が枚数ベースの“メディア”として販売しているため、効率を前提としていない点が根本的な問題です。

それに加えて、そもそもトラッキングができないという問題があります。

特にWEBでのコンバージョンを目標とする場合、チラシのシリアル番号などをポテンシャル顧客に入力させるしか方法はなく、管理できたとしてもまとめて納品する先の業者単位となります。

これからのチラシ

チラシ毎に個別のパラメータを付与し、ユニークなQRコードを印字することによって、配布するチラシ1枚1枚とサイト訪問者を紐付けてPDCAを回していきます。

例えばワインの頒布会を告知するチラシを配布したところ、富裕層が多い渋谷区の反応率が高いという期待に対して、実際に高かったのは地方の富裕層でした。

可処分所得だけでなく、近くにリアル店舗の競合がいるかどうかという点が大きなファクターであるという仮説に基づき、2回目は地方への枚数配分を上げると同時に、都内でもやや郊外だったりベイエリアの高級マンションのみを限定して配布予定です。

新しい技術を活用したプランニングと実行

まずは自社に最適なツールが何のか、また競合との違い、さらには現状のメディアプランおよびマーケティング戦略において、どういう位置付けになるのか(現状の形のままフィットするのか)を明確にする必要があります。

その次は実行です。初めての取り組みの場合は、新しいオペレーションのためのリソース、またそれを学ぶ必要があるため、容易ではありません。

新たな手法の導入検討からはじめの数ヶ月のPDCAを回すフェーズまでを支援させていただきます。