Zilliqa CEO:Xinshu Dong氏とのインタビュー

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インタビュー記事

先日、高山はシンガポールに行って、ZilliqaのCEOシンシュウさんにお時間をいただきました。とても優しくて賢い方で、複雑なコンセプトもすべて非常にわかりやすく説明してくださいました。

なお、インタビューをより楽しんでいただくためにも、Zilliqaのプロジェクトに関する説明もぜひご覧ください!(「Zilliqaとは?」

Q:まず、はじめに、Zilliqaとは?

Zilliqaは新しいパブリック・ブロックチェーンです。私たちがこの新たなブロックチェーンでやりたいこと、それは高いスループットの分散型アプリのためにプラットフォームを提供することです。つまり、Zilliqaの上にアプリを作ることができ、それは1秒に数百から数千もの取引を処理することができ、なおかつ分散型でセキュリティーも担保されているという環境のことです。

私たちは現在シンガポールを拠点としており、小さなチームですが、幅広いスキル、技術、そして経験を持ったメンバーたちが集まっています。

Q:シンシュウさんとZilliqaメンバーの経歴について教えてください。

もちろん。私は主に技術サイド出身です。以前はサイバーセキュリティにかかわる仕事をしていました。シンガポール国立大学で博士課程にいたときは、ウェブのプラットフォームを中心に研究していました。ウェブページやウェブ・アプリやその他のサービスです。全体の構造をデザインし直すことによって、どうやって安全性を高められるかということを研究していました。

博士課程の研究終了後、私はイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校によって設立された研究所に所属しました。そこでも、私はサイバーセキュリティを研究していたのですが、そこではより大規模なシステムを制御するソフトウェアが対象でした。スマートグリッド、交通システム、IoTなどです。それは私がブロックチェーンに個人的な興味を持つ前だったのですが、今の会社に移ってからは、スループットが非常に高くて拡張性のあるブロックチェーンをプライベート環境で開発していました。それがすべての始まりです。

Q:ブロックチェーンに欠かせないサイバーセキュリティに関する知見は、シンシュウさんの専門領域ということですね。

実はサイバーセキュリティ領域の経験が長いのは私だけではないのです。多くのチームメンバーは、サイバーセキュリティ出身です。だからこそ、Zilliqaのブロックチェーン・プロトコルを設計したときも、私たちが何よりも注意していたのはセキュリティだったのです。ブロックチェーンの処理速度を上げる方法はいろいろとありますが、ブロックチェーンの処理速度を上げながらも、セキュリティを絶対に守ること、それが、私たちが取り組んでいる課題です。

Q:チームメンバーの多くが博士号を持っていますよね。ブロックチェーンへの科学的なアプローチが強みなのでしょうか。

実際のところ学位がすべてではありませんが、メンバー一人ひとりの経歴と今までの研究やプロジェクトを見ると非常に興味深いです。まずヤオチ(Yaoqi)は、我々のブロックチェーン設計者です。過去数年間にわたって彼が行ってきたこと、それはどうやって安全で効率的なpeer-to-peerネットワークを設計することでした。それはよく考えてみると、今のブロックチェーンの基礎なのです。また、どうやって効率的な合意プロトコルを実装させるのかというテーマも研究していました。これも現代のブロックチェーンの設計に含まれているプロトコルです。

そしてもう一人のチームメンバーであるアムリット(Amrit)も非常に興味深い経歴の持ち主です。彼は暗号学の学者です。なので現在暗号学の設計をリードしてもらっています。彼は以前モネロのような仮想通貨を研究していました。ご存知のとおり、モネロは取引におけるプライバシー保護にフォーカスしていますが、アムリットはその長所・短所を洗い出し、どのように改善できるかを研究していました。

したがって、私たちのチームは非常に技術に強い経歴の持ち主が集まっているのです。私たちは自分たちが何を作っているのかをしっかりと理解しており、異なるアプローチ一つひとつの長所・短所も理解しています。

Q:Zilliqaチームはどういう経緯で結成したのですか?

まず、プラティーク・ザクシーナ(Prateek Saxena)という面白い教授の話をさせてください。彼はカリフォルニア大学バークレー校で博士課程を終え、もちろん彼もサイバーセキュリティ領域でした。実は彼が現在のチーム形成にあたって中心的な存在なのです。実はジリカにいるほとんどのメンバーが今はもちろんのこと、過去何かしらの形で彼と一緒に働いていたのです。したがって、たとえばブロックチェーンの拡張性を大幅に上げる「シャーディング」のアイディア、それはプラティーク・ザクシーナと当時博士課程で彼の生徒であったロイ・ルー(Loi Luu)による研究論文がすべての始まりだったのです。

なお、ご存知かもしれませんが、ロイ・ルーはKyber NetworkのCEOです。したがって、すべてはその研究所で始まったのです。実は当時、私も別の研究をしていたのですが、同じ研究所でプラティークと一緒に働いていたのです。したがって既にそのときはプラティークとも知り合いでした。

その後、プラティーク・ザクシーナはもう二人の創設者であるジュザ・モティウァラ(Juzar Motiwalla)とマックス・カンテーリア(Max Kantelia)と共に会社を設立しました。そして、私もその会社に入り、拡張性のあるブロックチェーンというアイディアを、まずはプライベート・ブロックチェーンとして商用化するためにトライアルを始めたのです。

そして、技術が成熟していくにつれ、どんどん他の人も誘われてチームに加わっていき、アムリットとヤオチも、全員プラティークと研究所で一緒に働いていましたからね。そして徐々にもっと人がチームに加わるようになったのです。そこで、本当に私たちの技術の限界はここなのかと、私たちは考え始めました。もちろん、これが限界のわけがない。なぜなら閉ざされた環境だと30から50程度のノードしかありませんが、それでは足りません。

私たちの拡張技術を使えば、本当は数千、いや数万ノードまでスケールすることが可能なのです。まさに、それこそ私たちのポテンシャルを解放するものであり、だから、私たちはパブリックなプロジェクトであるZilliqaを始めたのです。それで今に至ります。

Q:ブロックチェーンについてあまり詳しくない人のために、現状のブロックチェーンの課題について説明してください。

本日のブロックチェーンを見てみると、たしかに革命的だと思います。既に世界を根本から変えました。この技術は新しいビジネスの活用方法につながる数多くの機会に加えて、新しい形の資金調達の手段まで提供してくれています。ただ、一点だけ見てみましょう。それはスループットなのです。スループットとは何か?それは1秒あたりに処理できる取引の数であり、支払いはその一例になります。実はそこがボトルネックなのです。

現時点では大体平均的に1秒あたり7-10の取引が処理でき、もう少し多い場合もありますが、大体これくらいのレンジで、秒間10の取引くらいです。でも、多くのアプリケーションはそれよりもはるかに高いスループットが必要で、具体的には1秒あたり数千規模の取引です。この問題をジリカは解決しようとしているのです。

Q:既存のブロックチェーンに乗っかるのではなく、ゼロから新たなブロックチェーンを作ることは大変だと思いますが、なぜそうしようと決めたのですか?

とても勇敢な行動だったと思います。私たちは解決策として、イーサリアムのような既存のブロックチェーンに何かを加えるのがベストだと考えていました。したがって、すべての互換性を崩さずに既存のブロックチェーンを改造するのがどれくらい大変なのか、いくつかの分析を行ったのです。互換性が維持できなければ意味がないですから。しかし残念なことに、それが現実的ではないという分析結果が出ました。

既存のアプリの基盤を壊さずに、何か所かに小さな細工をしてブロックチェーンの拡張性を大幅に上げるなどといったことはできない。だから私たちは「もうまっさらのコードベースから始めて新しいブロックチェーンを作るしか方法はない」という結論に至ったのです。

先ほどお伝えしたとおり、これは勇敢な行動であり、この先数々のチャレンジを乗り越えなければなりません。

Q:ユーザー視点で考える、Zilliqaのビジョンを教えてください。

しばらくしてから、たとえば「クリプト・キティ」で起き始めましたが、みんながそのゲームをやりはじめると、ネットワークが混雑に陥りました。でも、これは前から見えていたことです。拡張性あるいは高いスループットの欠如というのは問題なのです。これは多くの面白いアプリをブロックチェーン上に移すことを阻む問題です。

それはユーザーの観点からいうと、ネットワークが遅く、ICOに参加するときなど、たまに他の人たちと競争して取引を通さなければなりません。こういったことが現状、ユーザーが体験している問題の例になります。しかし、より高い次元で考えると、分散型アプリのためには高速なプラットフォームが必要不可欠なのです。

そして、私たちがそのプラットフォームを完成させたとき、今想像もできないような、数々の新しくて面白いアプリケーションがブロックチェーン上に誕生してくると信じています。

Q:競合に対するジリカの優位性について教えてください。

パブリック・チェーンの拡張性を改善する方法はたくさんあります。たとえば、最近人気のある方向性として、「ステート・チャンネル」というものがあります。例を挙げると、ライトニング・ネットワークやライデン・ネットワーク、またNEOブロックチェーン用のトリニティーなどです。基本的にこれらのプロジェクトのアイディアは、取引の一部をオンチェーンからオフチェーンに移すというものです。そうすることによって、非常に高いスループットを実現できます。1秒当たり数十万の取引も可能です。なお、これは支払いの場合、非常に便利です。 なぜなら本日のオンチェーンでの支払いは、まず遅いですし、その次に手数料が高いです。したがって、彼らのソリューションのメリットはこういったところにあります。

ただし、これらはあくまでサイド・チャンネルでありオフチェーンです。ここでユーザーが理解しなければならないのは、これらのソリューションはオフチェーンなので、従来と同じレベルの安全性、分散、そして不変性や透明性がないということです。

それに対してジリカが提供しようとしているのは、オンチェーンのソリューションです。それが意味することは、ブロックチェーン上で高いスループットを実現することであって、その結果、従来のブロックチェーンと同じレベルの安全性と分散を維持できるのです。そうすることによって、分散型アプリにとっては非常に効率的な基盤を提供できるのです。

もちろん、先ほど例に挙げたようなサイド・チャンネルと組むことも可能です。私たちの仕組みは、更に超高速な支払いのためにサイド・チャンネルと組むこともできるので。

Q:オンチェーンとオフチェーンの違いとそれぞれの長所・短所を教えてください。

オンチェーンの取引というのは、伝統的な取引のことを意味します。たとえば友達にビットコインを送るとしましょう。それが伝統的なオンチェーン取引です。このような取引のメリットは、ブロックチェーン上で行われるところです。したがって、誰もが確認できますし、その内容を容易に改ざんするとはできませんし、常に消えることなく存在するため変更できません。一方で、デメリットは、複数の確認が必要なのでたまに遅いこと、また取引手数料が非常に高くなることです。それに対して、オフチェーンのソリューションは、コンセンサス・プロセスというものを必要としないので取引は非常に速いです。

なお、コンセンサス・プロセスというのは、取引について、すべてのノード間で同意を得ることです。でもオフチェーン・チャンネルがあれば、その同意が必要ありません。その結果、取引はより速く済みます。しかし、そのチャンネルにおける一つひとつの支払いがすべてブロックチェーンにすぐ記録されるわけではないので異なります。誰もその内容を絶対に変えられないという不変性はありませんし、チェーンにつながっていないです。また、デポジットや担保が必要など、他にも留意すべき課題はあります。したがって、流動性がやや影響受けるでしょう。このようメリットとデメリットを考慮する必要があります。

Q:今年に入ってから達成したことについて教えてください。

まだ1カ月程度ですが、ソースコードを開放したので、それは非常に興味深い出来事ですね。すべて公開されているので、誰でもコードを見て、私たちが毎日行っていることを把握することができます。他にリポジトリはないので、すべてが公開されているのです。

また、私たちは今テストネットでの実験に注力しています。正式にリリースする前に、強固なプラットフォームであるためにも、先にユーザーに試してみてもらいたいのです。

外部とのパートナーシップについては、私たちは非常に慎重ですので、具体的な計画がない限りアナウンスはしません。たまにパートナーとの守秘義務によって具体についてはお伝えできないこともあり申し訳ないのですが、私たちがパートナーシップについてアナウンスする場合、それは実際に物事が進んでいることを意味します。

たとえば、現在私たちはマインドシェア社と非常に密接に取り組んでおり、パートナーシップも強化しつつ、具体的な手順もあります。この取り組みの成果物については、現在かなりのスピード感で進んでいます。したがって、今年の半ば頃には具体的な実証実験ができるでしょう。

また、私たちはより包括的なソリューションを提供すべく、他のテクノロジー会社とも協業しています。なぜなら、ブロックチェーンというのは実際のところエコシステムだからです。したがって、いろいろと必要なのです。オンチェーンの拡張性もありますし、プライバシーもあります。また、効率的なストレージもありますし、ユーザーがアプリを作るための便利なAPIも必要です。その結果、様々な点においてパートナーシップは必要不可欠であり、だからこそ、私たちはこのような取り組みをとても大事にしているのです。

一方で、私たちは非常に慎重です。したがって、コミュニティーにとって本当の意味で価値のある相乗効果が見込めるパートナーだけを選んでいます。

Q:世界的な大手のマインドシェアとの提携について、ブロックチェーンでどのような問題を解決しようとしているのですか。

アドテク業界を悩ませている問題として、広告詐欺や自社の広告がどこに表示されているのか基本的に信用できないという問題があります。この問題の一部はブロックチェーンで解決することができます。なぜなら、ブロックチェーンというのは、互いに信頼していない複数の関係者が、一つのプラットフォーム上で、特定のことについて同意するための仕組みだからです。

たまに同意は難しいかもしれませんが、ブロックチェーンは人々がコンセンサスを取るための手段を提供してくれます。まさに私たちがマインドシェアと追及していのは、その視点です。私たちは本当にパートナーであるマインドシェアに感謝しています。また、彼らを心から尊敬しています。なぜなら、この市場は既に成熟していますが、彼らは本当に最先端のテクノロジーを検証して、それがエコシステム全体の革命において何をもたらすのかを見ようとしているのです。

Q:アドテク領域において、Zilliqaならではの提供価値とは何でしょうか。

この領域において、Zilliqaの強みは2つの側面で活かされます。

一つ目はスループットであり、それは毎日大量の広告が表示されているなか、そのペースについていくためには非常に速いブロックチェーンが必要だからです。

また、Zilliqaならではの二つ目のユニークな強みはセキュリティです。なぜなら、広告業界での実際の取引におけるスマートコントラクトの活用方法を考えてみると、ちゃんとスマートコントラクトが正しくて、安全であることが必要不可欠です。そうでないと、関係者はお金を失うため、取引が成立しなくなります。だからこそ、Zilliqaの中にある非常に安全なスマートコントラクトのレイヤーが役立つのです。まだそれは進行中の作業ですが。

Q:Zilliqaを活用するメリットが大きい業界は他にどういったところでしょうか。

支払いやトレーディングという意味では金融業界、またシェアリングエコノミーや、著作権の管理があります。これらが現在私たちが検討している領域です。

しかし、既存の業界に向けたソリューションとして役割を制限する理由はありません。私は分散型アプリ開発者たちがもっとクリエイティブになれると考えています。彼らはZilliqaが良いツールだと感じて、新しい何かを作ってくれるかもしれない。それは既存のアプリを破壊するまったく新しいものかもしれない。それが面白いのです。

Q:今ジリカが直面している課題は何でしょうか。

正直に言いましょう。分散システムを構築するのは非常に難しいのです。いつも予期せぬ問題にぶち当たります。一つのパソコン・アプリを開発するのとは少し異なるのです。たとえば計算機を作ったとしましょう。挙動はすべてはじめのインプットによるため、決定論的です。

それに対してブロックチェーンを特徴づけるのは分散システムです。つまり、異なるコンピューターを束ねたネットワークだということなのです。一部のコンピューターはある問題があり、場合によってはネットワークを去ったり、もしくは途中で固まったりするかもしれない。 そうなると、自分のシステムはネットワークにあるそういったすべての小さな構成部分とつながっているので、様々な問題が起きます。その結果、デバッグしたり、問題を特定してそれを解決するのに時間がかかるのです。

なお、それはただ単に開発レベルの話です。次にシャーディングを見てみると、シャーディングそのものが極めて難易度の高い問題です。私たちは取引を実行するためのソリューションを持っています。しかし、それは私たちのスマートコントラクトの言語とどのようにかみ合うのか。現在いくつかのアイディアはあり、またソリューションもあるのですが、まだパフォーマンスの観点から、どのソリューションが最も効果的かはわかりません。したがって、これらはまだこれから乗り越えるべきチャレンジです。

Q:2018年とそれ以降のZilliqaの計画は?

2018年の大きな目標は、何よりもメインネットへのリリースになります。その前にいくつかのバージョンのテストネットをリリースし、それがちゃんと期待通り動いているのかをユーザーに試してもらう予定です。

その次はスマートコントラクトの言語を開発します。ハイレベルの考えは既にあるのですが、それを具体に落とし込んでコードを書くための言語を開発する必要があるのです。2018年の終わりまでには、高いスループットのプラットフォームがどういうものなのか、それがわかるようにショーケースとなるような重要なアプリケーションがいくつかあったらいいなと思っています。

それ以降については、たとえば5年計画などを作るのは難しいです。仮想通貨市場は非常に速く動いており、毎年既に10年経ったかのように感じます。

Q:また日本に来る予定はありますか?

もちろん!私は東京が大好きで、既に何回か行ったことがあります。少し寒いですけどね。でも好きです。日本の方々とお話するのも好きです。彼らは非常に賢くて回転が速い。また、遠慮なく良いサジェスチョンをしてくれます。また日本食も好きです。私はお酒も好きなのです。

(高山:お酒好きなんですね!好きなお酒の種類は何ですか?)

私は日本酒が好きですね。

(高山:であれば、次回日本にいらした際には、前回のようなプレゼンテーションの後に日本酒を飲みに行きましょう。)

それは良いですね。

Q:日本の視聴者へのメッセージはありますか?

私たちは日本の仮想通貨に関する規制が進歩的だと聞いているので、日本の市場には非常に魅力を感じます。そのような環境は、私たちのようにブロックチェーン技術にフォーカスした会社にとって、様々な取り組みをする機会を与えてくれます。したがって、高いスループットの分散アプリを事例を作れるような、実際に前に進められる機会を期待しています。

また、私たちは積極的にそのような話を求めているので、もしこのインタビューをご覧になった方で、面白い提案やアイディア、もしくはつながりがれば、気軽に私にご連絡ください。

最後に、シンシュウさんとのインタビューを振り返る

セキュリティをしっかり担保した上で高速処理ができるブロックチェーンをゼロから構築するというのは、非常に難しいことです。また、分散型のシステムを作ることが、従来のソフトウェアやアプリ開発とは違ってどれだけ大変なのかという話を聞いて、改めてサイバーセキュリティとブロックチェーンの領域に詳しい技術者がそろっているZilliqaチームの頼もしさを実感しました。

現在1,400種類以上のブロックチェーン・プロジェクトがある中、話題先行型のものや、営業トークだけで実態が伴っていないものは多く、近い将来その大半が消えるのは容易に想像できますが、Zilliqaチームが結成された経緯を聞いて、とても安定感があるプロジェクトだなと思いました。アツい想いと勢い勝負のベンチャーとは異なり、Zilliqaはあらゆる選択肢を徹底的に検証した上で、進むべき道を進んでいる。まさに将来、本当の意味で実用性のある様々なアプリの基盤を構築するには必要不可欠なスタンスだと感じました。

そして、シンシュウさん。とてもフランクで優しく、知性と好奇心に満ち溢れている方でした。また、何よりも印象的だったのは、Zilliqaのブロックチェーンの活用方法について話していたときです。シンシュウさんは何回かにわたって、Zilliqaが完成したときに、今自分たちが想像すらできないようなアプリが作られることを信じていると言っていました。

僕は、シンシュウさんがずっとセキュリティ畑にいらしたので、てっきりブロックチェーンの技術的な側面にしか興味がないと思い込んでいたのですが、完全に間違っていました。シンシュウさんは、他の人たちが思う存分クリエイティビティを発揮してくれることを何よりも望んでいるように感じました。様々な役者たちが、何の制限もなく自己表現できるよう、理想の舞台づくりに徹している。まさに誰よりも、クリエイティビティを愛し、ブロックチェーンの可能性を信じてそのポテンシャルを実現させようとしている、縁の下の力持ちです。

近い将来、シンシュウさんを驚かせるような斬新なアイディアを持つベンチャーが、Zilliqaのブロックチェーン上でアプリを開発することを期待しています。

Zilliqaについてはこちら:

オフィシャルサイト:https://www.zilliqa.com/

公式ツイッターアカウント:https://twitter.com/zilliqa