9月15日、国立台湾大学の学生との座談会で、会長のC.C. Weiと共同COOのY.J. Miiは、TSMCの経営哲学をこう凝縮した――問題を解決し、顧客を最優先し、先端プロセスのリーダーシップとAI設計ツールを次の主戦場として捉える。語り口は炉辺談話のようだが、その内実は戦略声明である。
世界への示唆は明快だ。TSMCは生産能力だけを競っているのではない。コンクリートを流し込み、EUV装置を購入することは誰にでもできる。SamsungやIntel Foundryがまさにそれを実行している。TSMCが繰り返し発信しているのは、プロセス規律と歩留まりの安定性こそが持続的な競争優位であり、それが今やAIツールによって設計からテープアウトまでのサイクル短縮という形で強化されているという点だ。NvidiaやAMD、Appleといったハイパースケーラーやファブレス大手にとって、その信頼性こそが、明らかな集中リスクを抱えながらも単一サプライヤーにリスクを集中させる理由である。AI設備投資の超サイクルの最中に発せられる「顧客第一」のメッセージの行間には、先端供給が需要に追いつかない局面で誰が価格決定力を握るかという暗示が込められている。
日本にとって、このメッセージは熊本戦略に直結する。TSMCのJASMファブは、国内半導体の存在感を再構築しようとする国家的取り組みの錨であり、Weiが語る企業文化こそ、日本のパートナー企業が吸収しようとしているものだ――機械だけでなく。ファブを所有することとTSMC水準の歩留まりで稼働させることの差は組織的なものであり、それこそが輸入困難な本質である。2nmを目指すRapidusは、この規律をゼロから構築しながらプロセスノードを飛び越えられると賭けているが、その道のりは資本の数字が示す以上にはるかに険しい。
AIツールを巡る議論は、日本のチップ設計者やそれを支えるSIerのエコシステムにとっても重要だ。EDAや設計ワークフローが生成AIおよびエージェント型ツールを取り込む中、優位性は、単にライセンスを取得するだけでなく、厳格なエンジニアリングプロセスの中でこれらのツールを実運用できるチームへと移行する。AI設計自動化を調達上のチェックボックスとして扱う日本企業は、ワークフロー全体をその前提で再構築する企業に後れを取ることになる。
ローカルの開発・インテグレーションチームが得るべき教訓は、地味なものだ。「顧客第一」と「不断の問題解決」は、スローガンではなく経営システムである。日本の半導体の野望を、実際に出荷され、高歩留まりを誇るシリコンへと転換するのは、単に人員と設備を拡張する企業ではなく、それを内面化した企業だ。